季節の一枚

最近の撮影より


紀ノ川橋梁
紀ノ川橋梁 《平成29年7月下旬》
今年は季節を問わず「異常気象」と嘆いてきたけれど、梅雨明け後の不安定な毎日には心底うんざり。 週間予報を見ても「撮影日和」と思われる日々が二日と続きそうもない曇天続き。 連日のようにどこかで記録的豪雨に見舞われて、まるで熱帯地域のよう。 そうかと思うと、不意に予報が外れて晴れ渡ったり・・・
希望としては、久し振りに北関東・南東北辺りまで遠出して切り撮ってみたい被写体があったのですが、期を逃し早月末。 日に日に悪化してゆく天気予報に、第二の選択肢としていて、比較的安定した天気が見込めそうな関西方面を巡ることにしました。 その計画のうちの一つが、この紀の川に架かる南海電鉄の歴史的橋梁。
今回の旅で訪れた地域はフィルム時代以来。 ここの橋梁の存在は、その時は知らずに素通り。 後にネット等で興味を抱くこととなりました。
はた目には同じような上下線が、少し間を置いて個別に並んで架かっているのですが、よくよく観察すれば何もかもが少しずつ違う。 幾らか古そうに見える下流側の架橋は明治三十六年。 アメリカンブリッジ製のプラットトラスは随分と小ぶりで、待機中に現地で観察したところ、通過中の電車のパンタグラフは屋根にくっついてしまわんばかりにぺちゃんこに折りたためられて何とか通り抜けている有り様。 代わって上流側は、古いといえば古いのだけれど、大正十一年架橋の日本製ワーレントラスという、文字にしてしまうとそれほど魅力を感じられない近代的な構造。
ささっと現地を確認し画角と撮影位置を決めて、後はお天気次第。 一日目はあまりの暑さの中、期待が出来そうもない空に気持ちが萎えて、日没時刻はるか前に撤収。 翌日、曇りの予報が案外良い天気になって、気持ちはそれほどでもなかったのだけれど、とりあえず再訪。 この日も酷暑で夕暮れ時と言えどもうだるような暑さ。 救いは何とかお天気が持ってくれそうなこと。 頻繁に行き交う列車に、お天気は高望みせず「成るように成る」くらいの気持ちで最善の時を見極めつつ同じ様にシャッターを切り続けました。 最終的には西の空がほんのり色付き、そして平凡な日没。 露出していた肌は、気付けば真っ赤に焼けていましたが・・・


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